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都市計画法や建築基準法を守るべき京都府や京都市が、破ることを前提にした改築に初めから参加するのは行政のありかたとして疑問がある。
京都の問題は、話題をよんだ京都ホテルと京都駅の改築問題に限らない。
実は、古都の町全体が変貌しているのだ。
たとえば、京都駅の南側には、ほんの少し前まで木造のぬくもりのある民家と商家がならんでいた。
一九八○年代の後半から、すさまじい地上げ攻勢に襲われ、わずか四、五年の間に、二百四十軒のうち二百二十軒が追い出され、さら地になってしまった。
地上げの理由ははっきりしている。
京都駅の改築計画と連動させて、二階家が建っていた敷地に「特定街区制度」や「区画整理法」などを利用して十階、二十階の巨大なビルを建てることができれば、その敷地の地上げに相場の数倍のカネを注ぎ込んでも十分に計算があうところで、今度の京都駅の場合の免罪符は「特定街区制度」である。
東京の霞ヶ関ビル周辺、新宿副都心の高層ビル群などですでに適用されている。
いくつかのビル群の建設をめぐって公園など一定の公共的なスペースを提供する、高層化されても交通混雑をおこさないなどの条件を満たせば、指定されている用途地域の容積率、建蔽率、高さなどの規制を大幅に緩和する制度である。
都市の中心部を街区ごと「高度利用できる」という建設省の主張だが、土地の所有者にとっては、敷地を何倍にも活用できるありがたいシステムである。
からだ。
駅の北側にある京都の中心部の急激な変化はさらに広範囲であり、すさまじい一言に尽きる。
古都の寺院が集中している上京区、中京区、下京区を歩いてみる。
かつてこの地域の美しい町並をかたちづくっていた平屋や二階建ての町屋を圧するようにオフィス・ビルやマンションがいたるところに建っている。
東京の千代田区、港区などの都心部ほどではないが、こうしたビル、とくに事業用ビルに住民が追い出され、人口が急速に減っていることは統計が示している。
一九六五年に上京区の人口は十二万人だったが、九二年末には八万人を割っているのだ。
中京区では十五万人から九万人以下になり、下京区では十四万人から七万人に半減している。
洛中という多くの日本人に懐かしい響きをもつこれら地域での人口急減は、地元の人々の心の故郷ともいえる小中学校の統廃合という追い討ちをかけている。
なぜ、こんなことがおきたのか。
最大の理由は、都市計画法による高さや容積率などの種規制そのものがきわめて甘く指定されているからである。
京都の用途地域地区指定図をみると、洛中の大部分が赤に塗られている。
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